将棋の対局のふり返り方|一人でできる感想戦の手順と、見る場面の選び方
将棋の対局をふり返るなら、この内容をそのまま作れます(見本は無料)。
対局のふり返りは、全部の手を見直すより、大事な場面を3つほどに絞って深く考えるほうが続き、上達にもつながります。プロの対局のあとに行う「感想戦」は、対局した二人で局面を戻しながら、どこが良くてどこが悪かったかを話し合うものです。ネット対局では相手と話せないことが多いので、一人で同じことをします。ここでは、その手順をまとめます。
ふり返りの前に:棋譜を残す
ふり返りには棋譜が要ります。ネット対局なら、多くのサイトやアプリで対局の記録から棋譜をコピーできます。将棋教室や大会で指した対局は、覚えているうちに手順を書き留めておきます。全部を覚えていなくても、序盤の形と、形勢が動いた所だけでも残しておくと役に立ちます。
棋譜の形式は、いちばん広く使われているKIF形式でコピーしておくと、いろいろな道具で開けます。KIFの読み方はKIF形式とは?にまとめました。
手順1:まず最後まで通して並べる
最初は止まらずに、初手から最後まで並べます。ここで考え込まないのがコツです。並べながら「ここで苦しくなった」「ここから良くなった」と感じた所を、手の番号だけメモします。
手順2:見る場面を3つ選ぶ
全部の手を見直すと時間がかかり、何が大事だったかがぼやけます。次の3種類から、1つずつ選びます。
1. 形勢が動いたと感じた所
駒を損した、攻めが止まった、急に受けがなくなった、など、流れが変わった所です。たいていはその手より数手前に原因があります。流れが変わった局面から、2〜3手さかのぼって見ます。
2. 時間を使った所
長く考えた局面は、自分が迷った所です。KIFの棋譜には、1手ごとに使った時間が「( 0:20/00:01:07)」のように残っています。時間を多く使った手を探し、そのとき何と何で迷ったのかを思い出します。迷った候補の手を両方並べてみると、選んだ理由が正しかったかが分かります。
3. 終盤の入り口
勝ち負けが決まるのは終盤です。王手が始まる少し前の局面で、相手の玉をどう寄せるか、自分の玉は安全かを、落ち着いて考え直します。終盤のまちがいは、序盤のまちがいより勝ち負けに直接ひびきます。
手順3:その局面で、ほかの手を考える
選んだ局面で、実際に指した手を一度忘れて、「この局面で自分ならどう指すか」を考え直します。
- 候補の手を2〜3個あげる
- それぞれ、相手の一番いやな返しを考える
- 実際に指した手と比べる
対局のときは時間に追われて見えなかった手が、落ち着いて見ると見つかることがよくあります。それがふり返りでいちばん得られることです。
将棋ソフトの評価値を使うと、どの手で形勢が動いたかを数字で確かめられます。ただ、評価値だけを見て「この手が悪手」と覚えるより、なぜ悪かったのかを自分の言葉で説明できるかを大事にすると、次の対局で同じ形になったときに役立ちます。
手順4:気づいたことを1行で書き残す
ふり返りの最後に、気づいたことを1行で書きます。
- 「相手が飛車を振ったら、玉を囲う前に端歩を突かない」
- 「駒を取られそうなときは、逃げる前に取り返せる手を探す」
- 「秒読みになったら、王手をかける前に自分の玉の安全を見る」
書き残す場所は、ノートでも、スマホのメモでもかまいません。KIFの棋譜に書き込む方法もあります。気づいた手の次の行に「*」で始まる行を足して書くと、その手へのコメントとして棋譜と一緒に残ります。同じ失敗の1行が何度も出てきたら、それが今いちばん直すべき所です。
続けるための目安
| 対局の数 | ふり返りの深さ |
|---|---|
| 1日に何局も指す日 | いちばん悔しかった1局だけ、3場面を見る |
| 週に数局 | 全部の対局を通して並べ、負けた対局は3場面を見る |
| 大会・教室の対局 | その日のうちに棋譜を残し、後日まとめて見る |
毎回すべてを完璧にふり返ろうとすると続きません。1局につき10〜15分くらいを目安にすると、対局を指す時間とのつり合いが取れます。
盤面を手元に出してふり返る
将棋の対局をふり返るでは、KIF形式の棋譜を貼り付けると盤面に並べ、1手ずつ進めたり戻したり、手の一覧から好きな局面へ移ったりできます。棋譜に書き込んだ「*」のコメントは、その手の局面で盤の下に出るので、書き残したことを見ながら並べ直せます。買うと評価値のグラフと悪手の候補の一覧が見られますが、いまは試作のため、評価値はサンプルで本物の解析ではありません。本番では端末の中で動く将棋のAIで計算する予定です。